ビーリンサイトを諦めた後の次の治療
前回、ビーリンサイトが効かなかったことが判明しました。次はアイクルシグ(ポナチニブ)一択だと思ってたら、だいたいその通り。アイクルシグとプレドニン(プレドニソロン)の服薬治療で、どこまで寛解に迫れるかやってみることになりました。
アイクルシグ
アイクルシグ(ポナチニブ)ははチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の一種で、これまで何回か触れてきました。一般的な性質は、過去の記事を参照するかWikipediaを見てください。
私は過去にこの薬を飲んできたのですが、薬疹が首の後ろに出たのと、心臓の調子が悪くなるという副作用を感じたことがあるので、投薬には注意が必要と考えられています。そこで、通常量(1日30mg)の半量15mgから始めることにしました。またこの薬は一般的に、血栓ができやすくなることが知られています。このため、点滴で血液をサラサラにするためにヘパリンを常時点滴してこのリスクを下げます。2週間ほど半量にして常時心電計で監視されながら開始となりました。
その後、エコー検査、ホルター心電図などのいろんな検査を受けましたたが、どれも問題がなかったので、結局、通常量の30mgに増量することにしました。これが効いてもらわないと困るのでね。
プレドニン
プレドニンは所謂ステロイドです。ステロイドと聞くとスポーツのドーピングだったり、アレルギーどめだったりを連想しますが、成人白血病治療共同研究機構の解説から引用すると、
副腎皮質ホルモンであるプレドニソロン(プレドニン)は、急性リンパ性白血病の第一次選択薬としてよく用いられています。リンパ球やリンパ系腫瘍細胞に対し、アポトーシス (計画細胞死) を誘導し、細胞融解作用を示します。副作用は糖尿病やクッシング症候群や免疫不全症などです。
のように急性リンパ性白血病では最初に使われる薬です。私も5年前に発症した際に最初に飲んだ薬です。この解説を私が解釈すると、白血病細胞であれ正常細胞であれ、プレドニンを(実は大量に)服用すると、白血球が勝手に死んでくれるらしいのです。
ステロイドを大量にしかも長期間飲むと重篤な副作用が出ます。まず元気になります。体のどこかに不調があっても、ほとんど消えてしまいます。良いことのように思うかもしれませんが、体のどこかで深刻なことが起こっていても気がつかないので、手遅れになってしまいます。他にもいくつか主な副作用を列挙すると、まずは感染症のリスクが高まる。骨粗鬆症になる。動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞。これらは生死に関わります。見た目にわかりやすい反応としては、顔が紅潮して、ムーンフェイスになる。皮膚が薄くなって弛み、赤切れになりやすくなって、場所によっては色素が沈着する。食欲が増進して食べ過ぎて太る(糖尿病を持っていると、これも危険)。不眠になる。他にもあるかも。
実際、実感として食欲が増します。病院食は味が薄く、しかも私の場合(初回の治療で腎臓を壊したため)タンパク質の量が制限されて、正直言って劇マズなのですが、毎食むしゃむしゃ完食です。まあこれは良いことなのかもしれません。
不眠
深夜遅くなっても元気なので、ついつい仕事をしてしまって、寝付けなくなりました。それで、副作用対策としてあらかじめ処方してもらっていた睡眠導入剤マイスリーを、飲んで寝ることにしました。
高脂血症
入院中は週に2〜3回血液検査で変なことが起きていないかチェックしています。それが入院前に比べてLDL-コレステロールの値が急増してしました。病院食を食べててコレステロールが高いわけがないので、食事のせいではなくて、これもステロイドの副作用であると考えられます。このためコレステロールを抑える薬メバロチンを副作用留めとして併用することになりました。
このように、結局以下の薬の服用を入院しながら続けます。
- アイクルシグ30mg/日(昼食後)
- プレドニン 70mg/日(朝食後と昼食後に半量ずつ)
- ゾビラックス 200mg/日(朝食後)
- ニューロタン 25mg/日(朝食後)
- ランソプラゾール 15mg/日(朝食後)
- ジフルカンカプセル 100mg/日(朝食後)
- メバロチン 20mg/日(朝食後と夕食後)
メバロチン以外は、通院治療していた時に飲んでいた薬と同じなので、入院する必要あるのかなって感じもするけど、仕方ないですね。