Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

薬疹が出た!

白血病の治療を5〜6年続けてきて、いろんな副作用に遭遇して、治療の本筋をまっすぐ通ることができず、廻り道をしなければならないと感じることが多い。

私の場合、過去に感染防止の薬であるバクタ配合錠で高熱を出しているし、アイクルシグで胸痛を起こしている。あ、もっと重篤な副作用を思い出した。抗がん剤の影響で脳がやられて小脳性運動失調症を発症したんだった。

そう言えば、これらのお陰で最初の治療期間が大きく伸びてしまって、結局最初の入院から移植を終えて退院するまでに256日もかかってしまったんだった。

皮疹が尻に出る

さて次は何かな、何もないといいなと、当然思っているわけです。プレドニンとアイクルシグはどちらも過去に飲んでいた薬で、アイクルシグが起こした胸痛は心配な副作用だったんだけど、だんだん慣れてきたのか、あまり起きなくなっていた。そういう意味ではCVを繋がれて24時間点滴を受けてはいるが、あとは服薬のみなのでとても楽な治療だった。

ある日、椅子に座っていたらお尻のほっぺた部分に痒みを感じ始めた。プレドニン服用のせいもあって、肌が乾燥しやすくなっていて乾燥肌は痒くなる。現在進行中の新型コロナウィルスのパンデミックでずっとリモート勤務だから、入院中にもかかわらず仕事は休まず病室から働くことができていた。だから日中は電話会議に出たり、パソコンで作業したりしてずっと病室やラウンジに座ってきた。そういうこともあって、乾燥した尻が痒いんだと思い、気にもしておらず、保湿剤ヒルロイドローションやヒルロイドソフト軟膏を乾燥した部分に塗っていて、尻のほっぺた部分にも塗ることにした。

今回の入院から1ヶ月経って、これまでの治療の成果を確認するために、骨髄検査(しばしばマルクと呼ばれている)を行った。その際、骨盤に針を刺して穴を開けて、骨の中の骨髄を採取するのだが、そのためにお尻を半分出して処置をする。そのお尻を見た医師が皮疹が出ていることに気づいてくれた。「なんで早く言ってくれないの。」そう言われても、「困ってなかったから。」「お尻は自分で見えないし。」

この病院は皮膚科の先生が常駐していない。月に1・2度外の先生が来て皮膚科が開く日があるので、次のタイミングを待ってみてもらうことになる。

 

薬のせいで皮疹が出る場合、左右対称の部位に出ることが多いそうだ。今回も尻のほっぺた部分の両側に対称に赤くなっている。それが上下に広がっている感じだ。体の後ろ側なので自分で見えず気がつくのが遅れた。肌が乾燥してきたのか、触ってざらざらしてどうにかなっていることだけは、判るようになってきた。つまり、時間と共に悪化している。

さて、これが薬の副作用により引き起こされた皮疹(=薬疹)だとすると、決められた程度を超えると、薬を中止しなければならない。ステロイドはアレルギー止の薬なので、これが原因とは考えにくい。もしアイクルシグが原因薬剤だった場合、これしか病気への有効性の高い薬がないので、寛解に向かう道筋がなくなってしまう。だから今止めるわけにはいかない。しかし冷静に考えると、従来15mg/日だった容量を倍の30mg/日に上げていることから、アイクルシグが原因であることも十分考えられる。他の薬は大体過去に飲んでいるし、服用量も変わっていない。ということで、アイクルシグを止めるわけにはいかないが、このまま薬疹が広がって服用不可になると困るので、半量の15mg/日に減量することとなった。

 

皮疹の箇所はその後広がって、両脇、両肘、うち腿、両足のふくらはぎが、程度の違いはあれ赤くなった。ただ痒みがあるのはお尻だけ。

皮膚科受診

ということで、時々来る皮膚科の先生が病院に来た日に受診。皮疹を見た瞬間に「薬疹です。」

さて、どの薬が原因なのか。どうやってそれを見出すのだろう。ほとんどの薬で副作用に発疹と書かれているので、すべてが候補だ。皮膚科の医師はどう分析するのだろうと興味深く眺めていたら、どうも服用を始めた時期と発疹の発生した時期を見ているようだ。私が飲んだ薬の履歴を全部印刷。原因物質を服用してから皮疹が出るまでの時間を考慮して、それで私の場合の時期と照合しているみたいだ。処方されていてもスキップ可能とされている薬(便秘用の酸化マグネシウムプルゼニド睡眠導入剤マイスリー)などがあるので、入院していても皮膚科の医師が全情報を持っているわけではないみたいだ。毎日看護師さんが何飲んだか把握しているはずなので、情報はどこかに存在するはずなんですが、私に「これいつから飲みました?」と聞かれる。「薬袋に書いてあるけど、手元にはありません。」「多分、X日前からです。」

結局疑わしい薬は、やめられない「アイクルシグ」、コレステロールのコントロールに使っている「メバロチン」、眠れない日(ほとんど毎日)に飲んでいる「マイスリー」ってことになった。

結論はというと、現在の発疹の程度ならアイクルシグの継続服用が可能。ただ、他の薬(メバロチンマイスリー)は他の機序の薬と変更になった。具体的には、メバロチンが一旦「エゼチミブ」になってまた「リピトール錠」に変更(他の薬との相性が良いものに変えたらしい)、マイスリーは「レンドルミン」に変わった。これはまだ飲んでない。

夜になっても眠たくならず寝られる気がしないのだが、実際横になって静かになると、しばらくして眠れているようだ。寝られない時の対処法は、寝なくていいってことで乗り切ろう。

その後の経過

その後数日経って、最初に出たお尻の発疹は治りつつあり、一方で少し遅れて現れたふくらはぎの赤みは少し増している。他の部分は横ばいか若干改善傾向にある。