Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

前処置完了〜臍帯血移植

この記事を書いているのはDay 0の夜。つまり移植の日。もう少し前に前処置までを書こうと思っていたのだが、体調が悪過ぎて、全く手がつけられなかった。

最後の抗がん剤(Day -3, -2)

2つ目の抗がん剤アルケランを2日に分けて点滴する。1つ目のフルダラと同じく、前投薬30分と合わせて1時間程度。ただし、アルケランは粘膜に障害を作るので、クライオセラピと言う大層な名前のついた予防策、と言っても市販のロックアイスを口に含んで口周りの血行を下げ、高濃度の抗がん剤が口腔粘膜に影響を与える程度を下げると言うもの。

口内炎は普段は大したことないが、白血球がほぼゼロの現状では、命取りになりかねないのだそうだ。ここでは五月蝿く口腔ケアを念押しされる。トイレに立つたびにウガイ、可能ならば歯磨きといった具合だ。

幸い、私のケースでは口腔炎は生じずに済んだようだ。ただ、口腔以外にもいくらでもあって、胃腸の管は全て粘膜だ。これからますます胃腸の動きが悪くなると考えられる。

食事はTBI当日の夕食以降、ほぼ食べられていない。

 

それにしても調子が悪い。何かしなければと思っても、実際行動するまでに20分、30分とかかってしまう。トイレにおきるのでさえ。なにしろ腹が張っている。気持ち悪いが、吐くほどでもない。

 

Day -2の深夜になって、急に吐き気の発作に襲われた。ほんの10分ほどの間、胃がキュウと縮まって、空っぽの胃の中身(胃液)が全部出た。とても苦しかったが、その後は少しスッキリした。その日の夕食は何も手をつけず、薬を夕食に出たリンゴジュース少々で飲んだのだが、胃腸壁が粘膜障害を受けているところにジュースという刺激物が入ったのが良くなかったかもしれない。この後は、食事は基本摂らないことにした。生きるために必要な栄養分は、点滴で補われている。

移植前日(Day -1)

多分、移植までの道のりでこの日が一番辛かった。なにしろ不快だ。居ても立っても居られないくらい不調なのに、何も体を動かしたくない。腹が張っている。下痢なんだけど、排便しても腹がスッキリしない。1日に2・3度、胃がひっくり返る吐き気の発作に襲われる。吐き気というか吐き戻しの発作だな。

この日は何の予定もなく、一日じっと寝て過ごす。

唯一新しいこととしては、免疫抑制剤(サンディミュン)の点滴が始まった。腎臓への影響を考慮して、通常の半量に減量している。このため、飲み薬の免疫抑制剤(セルセプト)を併用する。セルセプトの方が腎臓への負荷が低いらしい。こちらはかなり大きめのカプセルで、1日9錠を2回に分けて服用。抗がん剤の影響で吐き気があるので、吐いてしまうと飲めなくなるのが怖い。

臍帯血移植日(Day 0)

さて、いよいよ移植だ。

臍帯血は本日これから届くのだそうだ。厳重だね。だから、厳密に移植が何時からとは決まっていない。お昼頃らしい。

前投薬(アレルギー留めなど)が始まった。それと同時に心電モニターと酸素飽和度を測るモニターをつけられ、常時監視できる状態になった。

すると医師や看護師がワラワラと部屋に入ってきて、無菌室がいっぱいになった。緊張させようとしてるのかな?主治医が「これが臍帯血です」といって、シリンジ3本に入った臍帯血を見せてくれた。これをCVカテーテルからゆっくり手で注入していく。10分ほどで完了。ここでアレルギー反応などが出ることが心配されていたのだと思うが、何ごともなく順調に進んだ。

その後、30分ごとに2時間の間、血圧・サチュレーション・体温などを観察されたが、特に変化なし。モニターも取り外された。