Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

治療方針

入院後初めて骨髄穿刺(マルク)を行う。末梢血にはブラストは検出されていないので、骨髄液をとらないと病気の実態はみえない。検査結果を得るのに2日間。

 

検査結果はどうやら良好で、FISH検査ではXY染色体(宿主=私)の割合が0.24%、BCR-ABLの割合で2.4% と言うことで、当初33%だった私由来の細胞数が激減している。IS値はまだ結果が出ていないが、薬が効いていることは間違いない。

 

今後の治療方針だが、最終的には2回目の移植を行って根治を目指すが、前回の移植から次の移植までの間隔は広い方が良いと考えられているようだ。前回の移植の前処理の過程で、体がかなり痛めつけられている。私の場合は特に腎臓の状態が良くない。もう一度やれたとして、腎臓がダメになる可能性が高い。現在の腎症のステージとしてはG3aからG3bあたりだと思われる。退院して一年以上状態が変わっていないことから自然に考えると、これはもはや改善しないと考えるべきであろう。だから、現在の薬が効く限りはできるだけそれを使い、効かなくなるか副作用が重くなったら次の薬(おそらくポナチニブ)に切り替え・・・と言うことを繰り返す。十分間隔が開いた上で、深い寛解が得られるうちに、治験中のCAR-Tないしは2回目の移植を選択することになるだろう。

 

いずれにせよ、Ph+ALLの再発の生存率は10%程度と予後は良くない*1。CD19とかCD22を標的とした新薬も生存率を改善するエビデンスはまだないようだ。

 

病院でやれることはなくなったので、一旦退院。

*1:Fielding A. et al. Outcome of 609 adults after relapse of acute lymphoblastic leukemia (ALL); an MRC UKALL12/ECOG 2993 study. Blood. 2006; 944-950.