Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

しばらくぶりのアップデート

あれから色々ありました。

久しぶりに順番に思い出しながら書いていこうと思います。

薬の変更(2019年3月〜5月)

退院後にも骨髄検査を行ったが、スプリセル(ダサチニブ)を服用することで、白血病細胞はコントロールされているようだ。しかし、2週間に一度の血液検査で好中球 (白血球) の数がなぜか減ってしまう現象が認められた。ダサチニブの副作用として知られている骨髄抑制が、普通のケースより私には強く生じているようだ。このままだと、感染症のリスクが高まり、また入院しなければならない。

 まずスプリセルの副作用として血球減少が起きていることを確認するために、スプリセルを休薬してみた。2週間後に血液検査をしてみると案の定、血球数が大きく改善していた。と言うことは、血球減少はスプリセルの副作用に間違いない。そこで第3のチロシンキナーゼ阻害薬であるアイクルシグ(ポナチニブ)に薬を変更することにする。

 しかし簡単には行かない。アイクルシグには血栓ができやすいという副作用が知られている。体のどこかで血栓ができると、それが血流に乗って心臓や脳の血管を詰まらせるかも知れず、命に関わる重篤な障害が発生する可能性がある。このため、慎重に心電図、四肢の血圧差の有無、心エコー、CTなどを撮り、問題のないことを確認。その上で血栓を予防するために血液をサラサラにするバイアスピリンという薬が一緒に処方された。これが2019年5月のこと。

 

その後、2019年8月に骨髄検査を実施。アイクルシグはよく効いているようだ。良かった。

 

視力の低下と白内障の発症(2019年3月〜10月)

2019年の3月になって、視力の低下が気になるようになった。まあ老眼だろう。息子がメガネを作り直すついでに、私も眼科を受診して視力検査して見た。左右の視力差が生じていたようだ。PCのディスプレイが見やすい商店の老眼鏡の処方箋を書いてもらい、早速 Zoff で安価でおしゃれなフレームのメガネを作ってもらった。 

しかし、2ヶ月もすると目が霞むようになり、その霞が取れなくなってしまった。寝起きで目やにが付いて目が霞んでいるような状態が、ずっとつずくような感じがする。ちょうどアイクルシグを飲み始めたところで、血栓が眼球に飛ぶと、目が見えなくなることもあると聞いていたので、ちょっと心配になり、主治医にも勧められて、改めて眼科を受診してみた。

 

すると、目の血管にはなんの異常も見当たらない。それは良かった。しかし、なんと白内障が生じているとの事。普通は70代になって顕在化する病気だが、50代前半での発祥である。どうやら、白血病治療時に放射線を浴びているのと、ステロイドを大量に服用しているのが原因で、白内障が早期に進行するらしい。

 

白内障は、水晶体を人工レンズに交換する手術を行う治療が一般的に行われており、手術さえすれば視力を失うような重篤な病気ではない。単焦点のレンズであれば(ある1つの距離の物にしかピントが合わなくなるが)健康保険が適用され、治療は安く済む。先進医療として、複数焦点のレンズも存在するが、健康保険の適用外で、片目で 5-60万円が相場のようだ。幸い、私の加入している保険は先進医療をカバーしてくれるので、幾らかは治療費の足しになる。

 早速、受診した眼科で大病院の眼科に紹介状を書いてもらった。これが2019年7月末。まだ見にくいだけで老眼鏡をかければ十分見えるのだが、準備はしておいても損はないと思い、紹介してもらった病院の予約を電話で取ったところ、直近で取れた初診の予約が1ヶ月以上先の9月であった。混んでるのね。

 

9月に紹介してもらった大病院の眼科を受診してみた。診療開始よりも早くに到着したにも関わらず、待合室にはすでに大量の患者様たちが並んでいる。多くはお年寄りのようだ。1時間近く待って数々の検査を受け、さらに1時間待って医師の診察を受ける。

すでに地元の眼科で診断されていた通り、両眼ともに白内障である。白血病であることや、放射線ステロイドを使った治療歴があることも告げた。どうやら、私の白内障は進行が早いらしい。しかし、地元の眼科で紹介してくれた教授は、とても有名で人気のある先生らしく、今日の医師はその先生ではない。手術を受けるためには、まずその先生の外来診察を受けてから、その後順番待ちの末、ようやく手術をしてもらえるらしい。なんと、その先生の外来の予約は、直近で来年2020年の2月になるそうだ。さらに、手術の日程はおそらく受診からさらに1年後になるそうだ。

 

この時点で選択肢はないので、2月の予約を入れた。