Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

血液学的寛解~退院

一旦退院

ベスポンサの2回目の投与が終わってから10日間経って、骨髄穿刺による骨髄検査を行いました。この記事の執筆時点ではまだ分子学的な結果はまだ出ていないのですが、血液学的な寛解*1には到達しました。この状態でも、前身にはまだ億単位の白血病細胞が残っている可能性があるそうです。どれくらい深い寛解に達しているかは、もう1週間ほど待って、分子学的な検査(FISH検査やPCR検査)の結果を見なければわかりません。

その結果が出て次の治療方針が確定するまでの間は、あるいは例えそれがあまり良くなかったとしても、慌てて次の治療を行う必要があるとも考えられないので、この血液学的寛解の状態で一旦退院させてもらうことにしました。

この後の予定

1サイクル(しかも投与回数は規定より少ない2回)しかベスポンサを行っていないので、まだ多くの白血病細胞が残っているだろうと想像されるので、確実に効果があって時間を稼いでくれると考えられるポナチニブを、今後安全に投与できるかどうかがとても重要になります。そこで退院の直前・直後には、そのための検査を行うことになりました。

フィラデルフィア染色体にT315I変異があっても有効なポナチニブ(商品名=アイクルシグ)は、血栓ができるリスクがあることが報告されています。また、私が過去に投与を受けたときには胸が痛くなったため、2ヶ月半くらいで中止することになりました。このため、院内で心エコー、下肢エコー、胃カメラ、大腸カメラといった、諸々の検査を受けました。どれも所見なしとのこと。

退院後、他の循環器科のある病院で、心臓周りの検査を受けることになっています。

 

1週間後に分子学的な骨髄検査の結果がわかるので、それを楽しみ/怖がりながら、一旦退院します。

*1:骨髄中の白血病細胞が顕微鏡検査では目で見た限りはなくなり、同時に血液検査で白血球、赤血球、血小板の数が正常な範囲内にある状態。

ベスポンサ投与とその後の経緯

前回の経緯でベスポンサを治療薬に選択し、5月の連休中に最初の一回目を投与しました。その投与の様子とその後の経過を書いていきたいと思います。

ベスポンサの投与

ベスポンサはCVからの点滴で投与します。前投薬(抗アレルギー薬など)を30分かけて点滴した後、続けてベスポンサを1時間で投与して、それで終わりです。これを1週間に一回、3週繰り返して1週休む、という4週間が1サイクル。効果を見ながら、効果があれば6サイクルまで続けることができ、効果がなければ3サイクルまでで投与を中止する、という決まりになっています。

私の場合、一回目の投与はあっけないほど簡単に終わりました。気分が悪くなるようなこともなく、あっという間に投与は終わりました。

敢えて挙げるなら、お腹の動きが悪くなった気がして、前の週から少し便秘気味だったのもあって、お腹が張ったというくらい。リンゼス*1プルゼニドという緩下剤を適時飲んで、便秘解消に努めました。

肝心の効果ですが、投与前に末梢血中に1%から2%見つかっていたBLASTは、投与後1週間で0%になり、ベスポンサはよく効いているように思われます。

肝臓に副作用

当初、血液検査では何の副作用の兆候がないまま3日過ぎたのですが、5日目あたりから肝臓の数値AST(GOT), ALT(GPT)の値が急に上がり始め、通常の基準値の上限の2.5倍を超える値になってしまいました。2.5倍以下にならないと、ベスポンサを継続できないという決まりがあります。肝臓を保護するために強力ネオミノファーゲンの投与(CVから注射)を受けて様子を見ました。

しかし二回目の投与が予定されている1週間後も正常範囲上限の2.5倍以下に下がることはなく、二回目の投与を延期することになりました。2日後、4日後にも同じ理由で投与ができず、この状態がまるまる1週間続き、結局二回目の投与をスキップすることになりました。

最初の投与から2週間後、ついに肝臓の数値が規定の範囲に入ったので、ベスポンサの二回目の投与を行いました。投与の方法は一回目と同じですが、量が少し少なくなっています(1回目の5/8)。前回同様、副作用が懸念されましたが、今回は肝臓の数値も全く上がらず、正常範囲に収まっています。初回投与後の、少し遅れて出てきた肝臓悪化はなんだったのだろう。

疑いとしては、当時便秘でリエンザを服用していたのが関係しているのかもしれない。今回は便秘は解消して、むしろ下痢気味になっているので、リエンザは服用していません。

1サイクルの中で、二回目の投与ができなかったが、一旦はこのサイクルをこれで終えて、2週間後に骨髄検査にて効果を確認することになった。

1度目の投与で肝臓に強めの副作用が出たので、ベスポンサが今後使えなくなってしまい、切り札が一つなくなる、というのが懸念だったのですが、2度目の投与では(今のところ)問題ないので、今後もベスポンサが使えるという期待が残ったのは、とてもありがたい。

再発の原因判明

この間に、入院直前に実施した骨髄検査の遺伝子解析の結果が出てきました。

私の造血幹細胞が持っているフィラデルフィア染色体上のBCR-ABL遺伝子。これが白血病細胞の増殖させる原因なのですが、この遺伝子が作るタンパク質の働きを阻害する薬、ダサチニブ(スプリセル)が、これまでとてもよく効いていました。

しかし、今回の解析の結果、この遺伝子にT315I*2という変異が入っていることがわかりました。この変異が入っていると、イマチニブやダサチニブに耐性を示し、これらの薬の効果がなくなります。このため、ダサチニブを飲んでいた私の白血病細胞は急増し、末梢血の検査でもBLASTが50%以上も見られる状態になっていたのでした。

このT315I変異がある時に効果のあるBCR-ABLの働きを阻害する薬は、今のところポナチニブ(アイクルシグ)だけということになります。

ポナチニブをかつて服用していたことがあるのですが、胸が痛くなる副作用が出て、一度病院に駆け込むことになりました。色々検査してもらったのですが、原因はわからず、ポナチニブの使用は中止することになりました。

今後の治療方針を決めていく中で、今後ポナチニブが使えるかどうかというのは、大きなポイントになりそうです。副作用をコントロールして、ポナチニブを使うことができれば、このまま造血幹細胞移植に向かうのではなく、ポナチニブを飲み続けることで、病気が抑えられ、その間、普通に生活することができます。

やはり、造血幹細胞移植を行うとなると、抗がん剤などによって、体内にある造血幹細胞を一旦全て殺す必要があり、この前処理の負荷はとても大きく、前回の移植で痛めた腎臓がもたないと考えられるので、今後の人生のQoLを考えるとできれば避けたい、少なくともできるだけ先送りにしたいというのが、今の所の希望です。

*1:最初は酸化マグネシウムを使っていたのですが、血中のMg濃度が上がってしまったので、リンゼスに切り替えました。

*2:315番目のアミノ酸がThreonineからIsoleucineに変わっている、という意味。

再発・難治性急性リンパ性白血病の治療方針

このブログのタイトル通り、私の病気はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)でした。

2016年12月に発症・入院し、ステロイドチロシンキナーゼ阻害薬*1抗がん剤による寛解導入、さらに放射線治療などの前処理を経て、2017年5月に臍帯血移植して生着。2017年8月に退院しました。

その後、2年ほど順調だったのですが、2019年11月に行った経過観察の骨髄検査で再発が判明。一旦1ヶ月くらい入院して、BCR-ABLに使えるチロシンキナーゼ阻害薬を変えながら*2、途中小さな問題はあったものの、効き目を見つつつ過ごしてきました。

しかし、2021年4月になって、ついにこれらの薬では抑えきれないスピードで病気が勢いづいてしまったというわけです。再々入院です。

新しい治療法

さて、再発して万事休す、もう手詰まりかと思いきや・・・初回時の入院時2016年〜2017年から4・5年経って、当時はまだなかった治療法がいくつか生まれている模様。医師から聞いた話やら、調べた話を書いてみます。これらはB細胞性のALLに適用できるらしい。以下は素人の生半可な理解です。リンクをできるだけ張るので、正確なところは原典をあたってください。

  • CAR-T(カー・ティー)細胞療法: ノバルティスファーマの商品名は「キムリア」。2019年5月に健康保険適用になっている。患者の体から自身のリンパ球の一種である「T細胞」を取り出して、白血病がん細胞を攻撃するように遺伝子を組み換えた細胞「CAR-T細胞」を作り、体に戻す治療法。CAR-T細胞が、白血病がん細胞を攻撃して治してくれる。自分の免疫細胞をサイボーグに改造して体に戻すというSFみたいは話。これで恒久的な治療になるという話もある。採取した細胞を製薬会社に送って遺伝子を組み換えてもらうのに1〜3ヶ月かかる、薬価が約3,500万円もする、重篤な副作用(サイトカインストーム、神経毒性など)があるらしい。これが適用できるのは25歳までの人で、残念ながら私は対象にならない。その明確な理由はわからないが、効果が期待できるのが若者だけだということなのだろう。
  • 抗CD22抗体薬物複合体製剤イノツズマブ・オソガマイシン: ファイザー社の商品名は「ベスポンサ」。2018年4月に発売されている。白血病細胞に生えている「CD22」というマーカーをターゲットにした抗体に、抗がん剤カリケアミシン」を結合した薬。この抗体がCD22が表面に出ている白血病がん細胞を見つけて取り付き、細胞内部に入り、抗がん剤を放出して、がん細胞を破壊するという仕組みらしい。CD22はほぼ全てのB細胞性ALLがん細胞の表面に存在するマーカー。標準的な治療では、1時間ほどかけて静脈注射する。これを1週間の間隔で3回実施する。ちなみに薬価は約130万円。1セットの治療(点滴3回)で約500万円なり。この治療は寛解導入のための治療と考えられており、完治を目指すなら、造血幹細胞の再移植が必要となる。
  • 二重特異性T細胞誘導抗体ボリナツモマブ: アステラス製薬の商品名が「ビーリンサイト」。白血病がん細胞に生えている「CD19」というマーカーと、正常なT細胞には生えている「CD3」の橋渡しをしてくれる抗体で、この橋渡しのおかげでこれまでT細胞に見逃されていたがん細胞に患者自身のT細胞がくっついて、がん細胞を破壊するという仕組みらしい。ボリナツモマブを4週間持続的に点滴静注した後、2週間休薬するというのが1サイクル。これを最大5サイクル繰り返すとか。大体1サイクルで7〜800万円かかるらしい。

直近、私が使えそうなのは「ベスポンサ」か「ビーリンサイト」ということだな。

私の治療法の選択

さてどちらをどういう根拠で選ぶべきか?妻にも出席してもらって、長時間に渡り医師から説明してもらった。

正直わからないので、医師のお薦めを選ぶしかない。で、その結果「ベスポンサ」を選択することにした。

一つのわかりやすい理由は、現在白血病細胞がどんどん増えている中で、効果が出るまでに時間がかかる治療は選びにくい。すぐに治療が1サイクル実行できて、効果が観測できるのはベスポンサのメリットに見える。

君に決めた!

じゃあ、いつから始めるか。これからゴールデンウィークに入るけど、病院の体制としては、連休明けが安全な気がするが、病気が進んでしまうリスクもある。話し合った結果、すぐに始めるということに決めた。

 

ベスポンサの副作用

新しい薬なので、気になるのは副作用。調べてみた。

  • 肝障害。静脈閉塞生還疾患(VOD)、類洞閉塞症候群(SOD)に特に注意が必要だそうだ。肝臓の血管が詰まって血流が悪くなり、肝機能が低下するということらしい。死亡した例もある。
  • 骨髄抑制。これは白血病の薬に漏れなく付いてくる副作用だな。血小板の低下で出血しやすくなり、白血球の低下で感染しやすくなり、赤血球が低下して貧血目眩がでる。
  • インフュージョン・リアクション(サイトカイン放出症候群)。T細胞などの中の活性化されたサイトカインが血中に大量放出されて起こる。サイトカインと白血球がぐるぐるとポジティブフィードバックを起こすと、サイトカインストームと呼ばれるそうで、なんだか名前がカッコいいが命に関わる。新型コロナでも起こっているとかいう報告があったな。
  • 腫瘍崩壊症候群。がん細胞が急激に壊れることで、細胞内の物質が大量に体内に蓄積して、尿酸増加、電解質バランスの崩れなどで、症状が起こる。
  • 膵炎。理由は聞かなかったが、消化腺である膵臓に炎症が起こるのだそうだ。

どれも血液検査などでよく観察して、対症療法を行うってことだと思う。

これがうまくいったら、この続きが書けると思う。

*1:チロシンキナーゼ阻害薬(TKI): 私の白血病の細胞にあるフィラデルフィア染色体に固有のBCR-ABLという遺伝子に取りついて、細胞増殖を遮断する分子標的薬。

*2:私の知る限りPh+ALLに使われるのは3種類。第一世代「イマチニブ」、第二世代「ダサチニブ」、第三世代「ポナチニブ」。

入院中の生活環境整備

2021年4月29日入院3日目

今日は祝日。検査はお休みで、初日に始まった投薬を継続。

白血病の入院生活は長丁場なので、ネットの環境を整備。

まずは配線から。ベットの頭の壁には医療用っぽい赤いコンセントが4つ、普通に使って良さそうなコンセントが4つ。赤い方は何かのために開けておいて、白いの4つにつなぎたい。そのうち2つは電動ベッドと備え付けのペルチェ冷蔵庫に繋がっている。だから、使える電源コンセントは2個。

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ベット脇の電源

その一つに、持ってきたテーブルタップを繋げ、その先にMacの電源、iPad Proの電源をさす。両方ともUSB-Cで同時に使うことはまれだけど、それぞれ枕元で使うときと椅子に座って使うときがあるので、両方ほしかった。もう一個の電源はいろいろ重宝するUSB電源に繋いで、ベッドサイドの電源を確保。

また、夜中でも手元だけを明るくしたかかったので、こんな手元の灯りを用意した。夜トイレに立った時も、尿量を記録しなければならないし、足元も多少は明るくできるので安全だ。

配線だが、枕元の電源から座って仕事をするためのベットに被せるオーバーテーブルまで線を這わせなければならない。地面にケーブルが落ちると不衛生で怒られるし、毎日掃除が入って邪魔になるので、綺麗にまとめなければならない。

そこで、ハサミで切って長さを自由に調整できるマジックテープで(今回はMac電源ケーブルと、手元の灯へ電源を送るUSBケーブルを束ねつつ)ベッドの柱の類に巻いてゆく。万一ベッドを動かさなければならない時にも、看護師さん達でも簡単に取り外せるので安心だ。 

あ、細かい工夫だけど、オーバーテーブルを広く使うために、ティッシュペーパーは磁石でテーブルの足に固定しています。こんな薄手の磁石を用意して、ティッシュボックスの内側に仕込み、その磁石の磁力で鉄でできたオーバーテーブルの足に止めます。

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磁石で止めたティッシュボックス
ネット回線

さてインターネット接続だが、この病院には患者が使えるWiFiが飛んでいないので、自前でモバイル通信をしなければならない。私が持っている回線はいまのところ、以下の3本。

  • 会社支給のiPhone(デザリング可能) -- 仕事の通信は、できる限りこれで。昔は7GB/月の制限があったけど、今時どうなんだろう?
  • 会社支給のWiFi router(HuaweiのHWD12) -- しばらく使っていない。使えんのかな?
  • 自前のiijmioファミリーシェア契約*1。-- 家族全員と別居の祖母と1契約をシェアしている。12GB/月が2ヶ月繰り越せるので、コロナでほとんど外出しないから、普段は常に15GBくらい容量が余っている。*2
  • GlocalMe -- 海外出張の時に使うモバイルルーター。各国のプランがリーゾナブルな値段で買える*3。これは初回の入院の後の退院祝いでもらったんだった。荷物を探してみたら、実は持ってくるのを忘れていた。トホホ。
  • それからこれは回線じゃないけど、SIMカードの入っていない(入れれば使える)NEC Aterm MR05LNiPhoneiPadiijmioのSIMを挿せばWiFiアクセスポイントになるから。

だった。それぞれ順番に試して行ったところ、iPhoneデザリングはOK、会社のWiFiルーターの契約は去年の途中で会社が辞めていて、繋がらないことが判明。すると残りはiijmioのファミリーシェアだけだ。シェアしているのでお得なんだけど、1人が使い切ってしまうと全員が使えなくなるので、責任重大。慎重に私がどのくらいギガを使うのか、観察してみる。

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通信キャパの変化

縦軸がMB単位の残り通信量量。数字にkがついているのでわかりにくいが、15kの目盛=15kMB つまり 15GB という意味。横軸は赤い点線が日付の区切りの時間軸。5月1日の0時に12GB追加されている。途中断線しているのは、その間 iijmio のサイトが停止してたのだろう。

グラフを読んでみると、4/27の入院前におよそ14GB残っていた残量が、4/30の終わりまでに9GBに減っている。4日間で5GBのペース。節約しているつもりなんだけど、このペースだと、確実にギガ死してしまう。

さてどうしよう。会社のiPhoneのデザリングが使える限りは、MacにUSBデザリングさせて、他のデバイスMacをアクセスポイントにすることで、全部のデバイス(私用iPhone, iPad)を会社持ちの回線にぶら下げることが可能にしよう。

問題は会社の契約がどういうものか知らないのと、会社から怒られるかもしれないのが問題だ。でもまずは技術的に動くかどうかは、試してしてみよう。公私混同にはならないように、使い方には注意する。

当たり前だけど、簡単にできた。

一応手順の備忘録:

  1. Mac (Book Pro)にUSB-Lightningケーブルで会社のiPhoneを繋ぐ。iPhone側で、設定→インターネット共有→他の人の接続を許可。
  2. Macのシステム環境設定→ネットワーク→デバイスのリストに、iPhone USBが一番上で緑になっていたらOK。他のものが上だったら、そっちが優先されている。
  3. 同じMacのシステム環境設定→共有→インターネット共有にチェックを入れる。すると共有する接続経路と出てくるので、iPhone USBを選択する。この時WiFiのチャンネルやパスワードが設定できるので適当にセットして、忘れずにそれをメモする。

これで他のiPhone, iPadWiFi設定を見てみると、自分のMacの名前のSSIDを持った電波が飛んでいるはず。それを捕まえれば良い。パスワードはStep 3でメモしたものを入れる。IDを共有しているiOSバイスには勝手に接続が伝播してくれるので、そちらでの設定は選ぶだけ。

これで全部の通信が会社のiPhone経由になった。公私混同として怒られないように使い方には注意しつつ、この回線がいつまで持つのか、突然ギガ死しないか、観察することにしよう。

楽天Unlimit-VIに申し込み

使わなかった月はタダっていうCMしているので、万一のバックアップ回線になるかなと思って、申し込んでみた。iPhone, iPadに使うのではなく、持ってきたAtermに刺して使えるんじゃないかな。まあ使えなけりゃタダなんだし。

https://network.mobile.rakuten.co.jp/fee/un-limit/ から申し込み。免許証の裏表の写真を撮って、送ったら翌日には自宅にSIMカードが届いた。妻に届けてもらう。

届いたマルチSIMをnanoSIMに切り抜いて、Atermに刺し、APNの設定(APN名=rakuten.jp、ユーザとパスワードは何入れるんだ・・・と探してみたんだが、ブランクで良かったみたい)でとりあえず開通。使えているみたい。

速度は・・・こんな感じ。

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Rakuten Unlimited-VI (Aterm MN05LN経由) iPadで計測


会社のiPhoneデザリング(au回線)の下りが24Mbpsくらいなのであまり変わらないけど、上りが速い(au iPhoneは7Mbpsくらい)ようでした。測ったの一回だけ。

 

これで、治療がキツくない間は、在宅勤務と同じ感じで働ける。 

 

*1:https://www.iijmio.jp/hdd/family/ 今年の夏で新規契約ができなくなるそうな。今後は新しいギガプランへ移行させていくらしい。

*2:6本SIMがあって3人が通話可能(残りはタブレット用にSMS付きでデータSIM)で家族全員で月々6,500円くらいだから、いまだにそこそこお得だと思っているんだけど。最近新しいプランが各社から出てきて、検討しなければと思っていた。

*3:GlocalMeこれは継続の契約不要で、ギガがなくなったらモバイルアプリで追加分だけ買えば良いので、短期のニーズにはとても良い。なんで持ってこなかったかなぁ

2021年4月27日(再々)入院初日〜検査・治療開始

2021年4月27日入院初日

ということで、この日の朝から入院。簡単な検査から始める。

  • 血液検査
  • 尿検査・便検査
  • 胸部X線検査
  • 頭部CT検査
  • 心電図

投薬は、

  • プレドニン(副腎皮質ステロイド)5mg/1錠を一日22錠と大量服用(朝夕に分けて飲む)。
  • ゾビラックス
  • フェブリク
  • ニューロタン
  • ランプラゾール
  • ジフルカン
  • 腕の静脈から電解液(尿をたくさん出すためかな)

と以前使っていた薬を服用開始。

まずはステロイドをたくさん飲んで、白血球の良い細胞も悪い細胞もとにかく数を減らす。これに伴って免疫が下がり感染症のリスクが上がるので、ウィルスや細菌の対策を行う。

新型コロナの影響で、普通は面会者は病棟に入れないが、今日は初日なので妻を病棟に呼んで、担当医から治療方針の詳細な説明を受ける。この内容については、まだ決まっていないことも多いし、まだ理解ができていないこともあるので、今後のエントリーでだんだん書いていきたいと考えている。

朝の血液検査の結果、芽球の数が41.5%とさらに増えている。病気の勢いが増しているようだ。薬を飲む前の数値だけどね。

 

2021年4月28日入院2日目
  • 血液検査
  • 尿検査・便検査
  • 咽頭検査
  • 頭部MRI
  • 心臓エコー検査

投薬は、初日のものに加えて、

を行なった。これは以前も定期的に受けていたもので、エイズの症状で有名になったカリニ肺炎を予防するための処置だ。白血病でカリニ肺炎になると予後が悪いらしい。この処置は月に1回くらい。血液検査の結果、芽球の数はさらに増えて48.5%。薬の効き目はまだのようだ。

そのほかの体調としては、唇が乾くのでプロベトという軟膏を出してもらった。また、病院で座っている時間が長いからなのか、ステロイドで免疫が下がってなのかわからないが、お尻(肛門)に違和感を感じる。とりあえずはアズノール軟膏という炎症どめをもらって試してみる。

あ、それから初日から初めて2日間連続で蓄尿を行なった。出した尿を全てカップで受けて、蓄尿容器にためていく。腎臓の能力を正確に計算するためだと思う。前回の治療の中で使った抗がん剤の副作用で、私の腎臓は大きくダメージを受けていて、今回の治療も腎臓が壊れてしまわないようにしないと生き延びられないので、治療の選択肢の幅が限られてくる。私のクレアチニンの数値は1.5〜1.7mg/dl前後が長期間続いていて、腎臓は一度痛むと改善の見込みはない。正常値は1.2mg/dl以下。8mg/dlに達すると人工透析となるそうだ。

骨髄検査のディスクリパンシ→白血病ついに再々発・再々入院へ

2021年2月26日骨髄検査

5ヶ月に1回程度定常的に受けてきた骨髄穿刺に よる骨髄検査を実施した。その結果、2つの検査方法で結果が分かれた。タイトルの「ディスクリパンシ」っていうのは検査結果を告げる医者が使った言葉で、要するに「違いがある」ということ。

骨髄検査の中で行うFISH検査という検査では、白血球のX染色体とY染色体に別の色の蛍光マーカーをつけてから顕微鏡で観察することで、私の細胞由来の白血球(男なのでXY染色体で2色が混ざって見える)とドナー由来の白血球(女性なのでXX染色体で1色に見える)が区別できる。今回の結果では1%の白血球が私由来であった。全く無視はできないレベルで増えているということだ。

もう一つの検査方法は、私の白血病9番染色体と22番染色体が交差してできるフィラデルフィア染色体陽性であることから、そのキメラ遺伝子に特徴的なBCR-ABLという遺伝子を持っている。これを利用して、BCR-ABL遺伝子を検出するPCR検査を行うと癌細胞の有無が判定できる。今回の結果では検出限界以下であった。

悪い知らせと良い知らせが同時に来たので「ディスクリパンシ」があると。医師は、病気が動いている可能性もあるので、注意深く経過観察しましょうという見解だった。

2021年3月26日抹消血検査

1ヶ月後の通院では、腕の静脈から取る末梢血を使った血液検査を行なった。当日その場でわかる範囲では、腎臓の数値が悪いなど、以前から相変わらずの問題はあったが、特に大きな異常はなかった。後から分かったが、血中白血球の種類を顕微鏡で目視分類してもらうテストでも、芽球は検出されなかった。

2021年4月23日末梢血検査

もう一月後の定期検査でも、同様に末梢血の血液検査を行なった。やはり当日その場で分かる範囲では、新しい問題は発見されず、ハッピーな気分で帰宅。

しかし、夕方になって担当医から自宅に電話がかかって来た。医者からの電話は必ず悪い知らせだ。検査後時間がかかってわかる顕微鏡による目視の検査で、芽球の数が非常に多かったそうだ。後から聞いた数字だが、18.5%。基準値0.9%を大幅に超えている。明日からの週末を挟んで月曜日26日にすぐに骨髄検査を行なって、状況を把握すべきであるとのことだった。これまで末梢血で病気が見えたのは、最初に発病した2016年12月当時、町医者に白血病を見つけてもらって以来である。

つまり、これまでチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)で抑え込めてきた再発白血病が、抑えきれなくなって表に出てきてしまった可能性が高い。これは大変だ。

急遽翌週月曜日の仕事の予定を変更。もともとリモートワークが99%だったので、どうしても外せないWeb会議の予定があったのだが、病院から出席することで対応することにした。

2021年4月26日骨髄検査

即入院する可能性があるので、病院に着いたらまず初めに入院準備のため新型コロナウィルスのPCR検査を受ける。結果は2時間後。陰性であった。ほぼ100%リモートワークをさせてくれる勤務先に感謝。

仕事のWeb会議に参加。そして末梢血検査。

最後に、骨髄検査。骨盤に太めの針を刺し(骨髄穿刺)て骨髄液をとり、その中にいる造血細胞を調べて病気の検査を行う。結果はすぐに分からないので、帰宅して連絡を待つ。

夕方になって病院から自宅に電話があった。まだ骨髄検査の結果は出ていないが、末梢血で明らかにわかるレベルで、芽球の割合が急速に増えているらしい。後から聞いた数値で36.5%。先週金曜日の約倍である。

医師の提案を受け入れて、翌日火曜日から即入院することにした。

慌てて入院準備。医師からはまだ何も言われていないが、白血病の再発なら絶対に数日では帰れない。既に夜になってしまい、緊急事態宣言も出ているので、もう買い物には行けない。仕方ないので自宅にあるものをかき集める。2016年12月から2017年8月までの入院の際に買い集めた入院グッズの大半は捨ててしまった。中でも一番重宝した、前びらきのTシャツ。わざわざベトナムの業者に日本製のTシャツを送って、その前を切ってボタンをつけてもらって何着も作ったのに、もう着ることはないと考えて全部捨ててしまっていた。

中心静脈カテーテル(CV)が入れられる可能性が高いので、それが付けられてしまうと、頭からかぶる着衣を着ることが難しくなる。介護される人が着る羽織って着ることのできる服が必要になる。今は家に何もないので、とりあえず普通のTシャツや下着をかき集めた。

長期の入院となると、IT機器を充実させておく必要がある。MaciPadiPhoneこれらあは普段使っているものだが、病院のテレビをつけるとお金がかかるので、自前のテレビ受信機*1、充電ケーブル類、ケーブルをベッドに固定するための結束バンドやマジックテープ*2、それを調整するためのハサミ、爪切り、老眼鏡、それらを整理するためのペン立て・・・などなど、前回の長期入院で必要だったものを思い出して、できるだけ過不足なく準備した。

何より重要なのはインターネット回線だが、この病院には患者が使えるWiFiがない。普段の調子でネットを使っていると、あっという間に利用制限がかかってしまう。最近の無制限プランに加入すべきかもしれない。料金の検討をしなければ。これは入院してからの使用量を実測してから考えることにする。

 

続きは入院しての治療となるので、 続きは別エントリニー分けることにしました。

 

*1:私の持っているのは古いこれだけど、もっと新しくていいものが出ている。

*2:たとえば、これとかこれとか。

2020年

年初に更新して以来の更新です。今年の変化を含めて、これまでの治療の経過をまとめたいと思います。

  • 2016年12月12日、白血病が見つかる。病院Aに即入院。ステロイド、ダサチニブによる治療を開始。
  • 2016年12月26日、病院Bに転院。
  • 2017年3月26日、抗がん剤の影響が小脳にきて、運動失調となる。が、2週間ほどで回復。
  • 2017年5月17、18日、放射線治療を実施。
  • 2017年5月25日、臍帯血移植を実施。
  • 2017年6月17日、生着。
  • 2017年8月24日、ついに退院。256日間の入院生活が終わる。
  • 2018年10月、肺炎発症。ステロイドで症状改善。
  • 2018年11月?日、再発が判明。11月?日、再入院。ステロイド、ダサチニブで治療。
  • 2018年12月?日、症状が改善したので退院。ダサチニブを継続して服用。
  • 2019年3月?日、血球減少が判明。
  • 2019年5月?日、薬をダサチニブからポナチニブに変更。
  • 2019年9月、胸の痛みを感じて、病院Aに駆け込む。心臓の検査をいろいろ受けるが原因不明。ポナチニブの副作用と思われる。ポナチニブを休薬した後、イマチニブに変更。
  • 2019年12月14日と27日、白内障の手術を右、左の順で実施。右目は多焦点レンズ、左目は単焦点レンズとなる。
  • 2020年12月に実施した骨髄検査の結果、また白血病由来の細胞が増えていることが判明。ただしBCR-ABLによる検査のみで、FISH検査の結果は悪くない。12月18日から薬をダサチニブに戻す。
  • 2020年12月21日、38度の発熱。数日続く。24日に発熱外来でPCR検査を受ける。陰性。おそらくダサチニブによる薬剤熱。

つまり2019年9月ごろからイマチニブを使ってきたが、今年12月になって効かなくなったらしく、過去に使って血球減少になったダサチニブに戻してみたら、薬剤熱が出たってところ。

さて、今後どうなることやら。