Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

骨髄検査のディスクリパンシ→白血病ついに再々発・再々入院へ

2021年2月26日骨髄検査

5ヶ月に1回程度定常的に受けてきた骨髄穿刺に よる骨髄検査を実施した。その結果、2つの検査方法で結果が分かれた。タイトルの「ディスクリパンシ」っていうのは検査結果を告げる医者が使った言葉で、要するに「違いがある」ということ。

骨髄検査の中で行うFISH検査という検査では、白血球のX染色体とY染色体に別の色の蛍光マーカーをつけてから顕微鏡で観察することで、私の細胞由来の白血球(男なのでXY染色体で2色が混ざって見える)とドナー由来の白血球(女性なのでXX染色体で1色に見える)が区別できる。今回の結果では1%の白血球が私由来であった。全く無視はできないレベルで増えているということだ。

もう一つの検査方法は、私の白血病9番染色体と22番染色体が交差してできるフィラデルフィア染色体陽性であることから、そのキメラ遺伝子に特徴的なBCR-ABLという遺伝子を持っている。これを利用して、BCR-ABL遺伝子を検出するPCR検査を行うと癌細胞の有無が判定できる。今回の結果では検出限界以下であった。

悪い知らせと良い知らせが同時に来たので「ディスクリパンシ」があると。医師は、病気が動いている可能性もあるので、注意深く経過観察しましょうという見解だった。

2021年3月26日抹消血検査

1ヶ月後の通院では、腕の静脈から取る末梢血を使った血液検査を行なった。当日その場でわかる範囲では、腎臓の数値が悪いなど、以前から相変わらずの問題はあったが、特に大きな異常はなかった。後から分かったが、血中白血球の種類を顕微鏡で目視分類してもらうテストでも、芽球は検出されなかった。

2021年4月23日末梢血検査

もう一月後の定期検査でも、同様に末梢血の血液検査を行なった。やはり当日その場で分かる範囲では、新しい問題は発見されず、ハッピーな気分で帰宅。

しかし、夕方になって担当医から自宅に電話がかかって来た。医者からの電話は必ず悪い知らせだ。検査後時間がかかってわかる顕微鏡による目視の検査で、芽球の数が非常に多かったそうだ。後から聞いた数字だが、18.5%。基準値0.9%を大幅に超えている。明日からの週末を挟んで月曜日26日にすぐに骨髄検査を行なって、状況を把握すべきであるとのことだった。これまで末梢血で病気が見えたのは、最初に発病した2016年12月当時、町医者に白血病を見つけてもらって以来である。

つまり、これまでチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)で抑え込めてきた再発白血病が、抑えきれなくなって表に出てきてしまった可能性が高い。これは大変だ。

急遽翌週月曜日の仕事の予定を変更。もともとリモートワークが99%だったので、どうしても外せないWeb会議の予定があったのだが、病院から出席することで対応することにした。

2021年4月26日骨髄検査

即入院する可能性があるので、病院に着いたらまず初めに入院準備のため新型コロナウィルスのPCR検査を受ける。結果は2時間後。陰性であった。ほぼ100%リモートワークをさせてくれる勤務先に感謝。

仕事のWeb会議に参加。そして末梢血検査。

最後に、骨髄検査。骨盤に太めの針を刺し(骨髄穿刺)て骨髄液をとり、その中にいる造血細胞を調べて病気の検査を行う。結果はすぐに分からないので、帰宅して連絡を待つ。

夕方になって病院から自宅に電話があった。まだ骨髄検査の結果は出ていないが、末梢血で明らかにわかるレベルで、芽球の割合が急速に増えているらしい。後から聞いた数値で36.5%。先週金曜日の約倍である。

医師の提案を受け入れて、翌日火曜日から即入院することにした。

慌てて入院準備。医師からはまだ何も言われていないが、白血病の再発なら絶対に数日では帰れない。既に夜になってしまい、緊急事態宣言も出ているので、もう買い物には行けない。仕方ないので自宅にあるものをかき集める。2016年12月から2017年8月までの入院の際に買い集めた入院グッズの大半は捨ててしまった。中でも一番重宝した、前びらきのTシャツ。わざわざベトナムの業者に日本製のTシャツを送って、その前を切ってボタンをつけてもらって何着も作ったのに、もう着ることはないと考えて全部捨ててしまっていた。

中心静脈カテーテル(CV)が入れられる可能性が高いので、それが付けられてしまうと、頭からかぶる着衣を着ることが難しくなる。介護される人が着る羽織って着ることのできる服が必要になる。今は家に何もないので、とりあえず普通のTシャツや下着をかき集めた。

長期の入院となると、IT機器を充実させておく必要がある。MaciPadiPhoneこれらあは普段使っているものだが、病院のテレビをつけるとお金がかかるので、自前のテレビ受信機*1、充電ケーブル類、ケーブルをベッドに固定するための結束バンドやマジックテープ*2、それを調整するためのハサミ、爪切り、老眼鏡、それらを整理するためのペン立て・・・などなど、前回の長期入院で必要だったものを思い出して、できるだけ過不足なく準備した。

何より重要なのはインターネット回線だが、この病院には患者が使えるWiFiがない。普段の調子でネットを使っていると、あっという間に利用制限がかかってしまう。最近の無制限プランに加入すべきかもしれない。料金の検討をしなければ。これは入院してからの使用量を実測してから考えることにする。

 

続きは入院しての治療となるので、 続きは別エントリニー分けることにしました。

 

*1:私の持っているのは古いこれだけど、もっと新しくていいものが出ている。

*2:たとえば、これとかこれとか。