Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

肺炎

移植から1年5ヶ月、退院から1年以上経った。

これまで腎臓が少し弱っているという話が出ていたが、自覚的な症状は全くなく、すこぶる調子が良いと思っていた。腎臓はクレアチニンの値は高めで推移しているが、悪化もしていなかった。

ところが、2018年9月の月末頃に、大人数の聴衆を前に講演する機会があって、その際喉を痛めたと思ったら、実は風邪か何かを引いたようで、初めは気がつかなかったのだが、微熱がで始めていた。カロナールイブプロフェン)を服用しても熱は引く様子がない。かと言って、風邪の症状が酷くなることもない。ずっと38℃手前の熱が続いている。白血病が発覚する前の自覚症状に似ていて、気持ちが悪い。

 

ちょうど仕事が午前中ない日があったので、予約なしに病院に行って見た。外来担当医には「ちゃんと事前に連絡してから来てください」と怒られてしまったが、とても丁寧に診察してくれた。

そこでは、いつもの血液検査、尿検査に加えて、肺のレントゲンを撮る。検査結果が出るのを待って診察を受ける。血液検査の結果、炎症反応を表すCRPの値が7まで上がっており(正常な上限値が 0.14)、体のどこかに明らかな炎症が起きている。肺のX線画像には影がある(会社の定期健康診断でも、要再検査の判定であった)。このことから、肺炎が疑われる。問題は肺炎の原因だが、可能性として以下のものが考えられる。

  • 細菌性の肺炎
  • インフルエンザなどウィルス性の肺炎
  • サイトメガロウィルス肺炎
  • カビによる肺炎
  • カリニ肺炎
  • GVHD (graft-versus-host desease = 移植後の拒絶反応)

今のところ体の他の部位には、何も症状が見当たらないことから、GVHDの可能性は低そう。以前はカリニ肺炎対策のベナンバックスの吸引を毎月行っていたが、移植1年経った時にもう十分ということで中止したのだった。カリニ肺炎には特有の症状があるはずだが、それも見当たらないということで、可能性は低い(万一カリニ肺炎だった場合、悪化のスピードが早く命に関わることが知られている)。抗生剤はすでに処方されていて、効果があったようには見受けられないので、細菌性でもなさそう。残るはウィルスかカビか。とりあえず、サイトメガロウィルス用の薬を処方され、翌週のCT撮影の予約を入れて帰る。

 

翌週再来院し、血液検査、尿検査、CT検査を行う。腎臓は相変わらず、CRPは8とあまり上昇せず、CTの結果、やはり肺に問題がありそうだ。できれば即入院して、肺胞に水を流して直接検体を取り、原因を調べる検査をしたいそうだが、仕事の都合上そうもいかない。そこで、抗生剤、抗ウィルス薬を継続しつつ、対症療法の特効薬であるステロイドを少量服用して、炎症を抑えることにした。

処方されたプレドニン5mgを1日2回服用することとなったのだが、処方されたその日に1錠飲んだところ、たちどころに熱は下がった。ステロイドは強力だ。食欲も出て、とても元気になった(空元気かもしれないが)。しかし、元気すぎるのか、夜よく眠れない。担当医に相談したところ、プレドニンの量を半分 (1日5mg)にすることした。それでも症状は完全に消えてしまった。

 

プレドニン(ステロイド)が処方されて、今日で1週間。症状は完全に押さえ込まれているが、肺炎の原因は未だ不明のまま。