Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

抗がん剤の副作用が脳にきた!

地固め療養C1の抗がん剤の点滴投与期間はわずか3日間.火曜日に開始したので金曜日には投与が終わっており,後は副作用に耐えるだけになっていた.

食欲不振は顕著に出ていて,3月24・25日は病院食をほとんど食べることができなかった.食べやすいゼリー系の食べ物(コンビニで買える「フルーツセラピー」や「ウィダーインゼリー」)を妻に買ってきてもらい,調子がいい時に食べるという感じでなんとかやり過ごそうとしていた.

2017年3月26日日曜日の未明

まだ前日深夜といっても良い,午前1時ごろのこと.

抗がん剤が腎臓を傷めないようにするために大量の水の点滴を受けていたこともあり,排尿のために目が覚め,病室内のトイレに向かう.

寝ぼけていたのか,多少ふらついたかもしれない.いつものように排尿を済ませ,ついでに洗面台の椅子に座ってうがいをした.そこからどうもうまく立ち上がれない.なんかおかしいな,体がうまく制御できないなと思いながらも,完全に思った通りにはならないが,歩くことはできてしまう.壁を伝いながら,点滴台を杖代わりにベットに戻る.

いつも排尿のたびに尿量を計量カップで計測し紙に時刻とともに記録するのだが,ベッドに戻っていざ記録しようとすると,字が上手く描けない.下手な字で記録する.

午前3時にも全く同じことを繰り返す.少し症状がひどくなっているような気がする.壁に顔をへばりつけながら,なんとか移動できた.

明け方になって,どうも呂律が回っていないことに気がついた.頭に言葉はちゃんと浮かんでくるのだが,口が動かない.発話できないのだ.

もしかすると,これはおおごとかもしれない!

看護師に報告したのが朝6時.その後,実際におおごとになった.

 

私の担当医は電話で緊急に呼び出されたようだ.妻には朝8時に電話で病状が伝えられた.どちらもすぐに駆けつけてくれた.

突然,呂律が回らない,体が動かないとなったら,普通は脳卒中(梗塞か出血)を疑う.CT, MRIによる画像診断が欠かせないが,今日は日曜日.病院は休日体制で,CT, MRIを含む検査機能は止まっている.即CT, MRI がオーダーされたが,機器に火が入り検査できるのは午前10時以降になる.

脳梗塞だった場合,発症から4時間半以内ならばt-Paという薬が使用できる.梗塞の原因となっている血栓を溶かす薬だ.しかし,最初の症状が出たのが深夜の1時であることから,私が朝看護師に報告した時点でとっくに4時間半を過ぎてしまっている.この時間を過ぎてt-Paを使用すると,壊死した脳から大出血する可能性があり,むしろ危険である.すでに有効で即効的な治療法はすでにないという状況だ.

CT, MRIに火が入ると,病室から普段寝ているベッドごと検査場まで運ばれた.救急救命される患者の気分を味わった.