Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

原因不明の発熱・発疹

今日から2日前,2017年1月17日(火) の朝食後にスプリセルを服用して,2016年12月14日に始まった35日間の寛解導入治療が終了した.今後は骨髄液を採取して,治療の成果を確かめ,2サイクル目の地固めに進む予定だ.

ちょうどこの日の朝から,原因不明の発熱が始まってしまった.1/17の朝4:00頃に悪寒で目が覚める.寝ぼけながらも熱を測ったところ38.3℃.寒気が酷いので上着を着て布団の中で丸まって寝る.看護師を呼ぶ気力もない.看護師には朝起きてから報告.熱があると頭痛がする.目の奥の痛みとして感じられる.

原因の追求を開始。

娘がインフルエンザに罹ったこともあり,まずはインフルエンザが疑われる.直ぐには検査できないので,12時間以上たった午後に検査するも結果は陰性.

CTで肺にポツポツと小さい影が見えるのが前から気になっていた.呼吸器の専門医によると,最初に疑うべきは結核などの抗酸菌感染であるとのこと.結核菌がいるかどうかの検査は通常痰で行うのだが,痰が出ないので胃液を採取して調べることに.胃液の採取は,胃カメラのように細いチューブを鼻から胃に通して,注射器で吸うって行う.胃カメラはカメラが付いているので先端を見てどこを通れば良いか制御できるが,チューブはただのチューブなので,気管と食道の分岐点を通すのが大変であった.涙を流しながら苦労して採った胃液だが,結果は抗酸菌陰性であった.

CTで見つかった肝臓にある影も疑われている.これは恐らくは血管腫(良性腫瘍)であるとの見立てだが,そうであったとして,稀に膿が溜まって発熱の原因となることがあるらしい.詳しい状態をエコー検査とMRIで確定させる方針 (今日1/19時点で未実施).薄い可能性に思われるが,一つ一つ潰していく.

翌日 1/18(水)

2017年1月18日(水)も朝から発熱.10:30には37.8℃.13:50には38.1℃.熱が高くなったので夕方から抗生剤(ゾシン: ペニシリン系の抗生剤)*1を点滴することに.

夕方,医師に首回りに発疹が出ていると指摘を受ける.抗生剤へのアレルギーかもしれない.抗生剤を別のもの(マキシビーム: セフェム系の抗生剤)*2に変更.

改めてインフルエンザの検査を行う.結果は同じで陰性であった.

日中は37℃台で推移.夜になって発熱は治まった.

翌日 1/19(木)

朝6:50の最初の検温では37.6℃と熱があったが,その後は36度台.今日日中は発熱はなかった.

しかし,発疹は収まるどころかむしろ広がり,腹・背中・首・耳が赤くなり,首や耳は触ると熱を持っている.シャワーを浴びて温まった際には,手足にも広がるのが確認できた.このためアレルギー止めの薬(ポララミン: 抗ヒスタミン薬)*3を点滴に混ぜて静注.しかし効果があったようには見えず.相変わらず赤い発疹は消えない,

発熱の原因を分類すると,以下の3種類が考えられる.

  1. 細菌・ウィルスによる感染症
  2. 薬剤の副反応
  3. 腫瘍熱

これまで1を想定してきた.今日1日発熱がなかったことから,原因は何かの細菌で,抗生剤が奏効したのかもしれない.

一方,発疹が現れたことから2の可能性も出てきたが,抗ヒスタミン薬は効果がなく,単純なアレルギーではないのかも.抗生剤が疑われたが,まず発熱があったから抗生剤を使ったわけで,抗生剤の副反応が元々の発熱の原因であることはあり得ない.

最後に,入院前の症状がそうであったように,白血病の腫瘍細胞によって発熱が起こっている可能性もある.ただ,その場合は日中に発熱するより,夜間に出ることが多いらしい(これは私自身の経験と一致する).これは明日実施する予定の骨髄穿刺により骨髄液を調べ,白血病細胞がどの程度減っているかを調べることで,原因となり得るかが分かるはずである.腫瘍熱であったということは,最初のサイクルの治療が十分な効果がなかったことを意味する.