Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

親娘のHLA適合性

骨髄移植にしろ,臍帯血移植にしろ,移植を受けるためにはHLA*1の適合度が高い*2ドナーを見つける必要がある.しかしHLAは非常に複雑な過程で決定し,数万種類存在するといわれていて,偶然2人のHLAが一致する確率は数万分の1から数百万分の1である.

私には20歳の娘がいる.前の病院で「念のため」娘のHLAを簡易検査してもらっていた.

面倒な議論を省けば(実際,とても面倒らしいのだが),メンデルの法則*3で考えて,子供には夫から半分,妻から半分,HLAが遺伝している.ということは親娘のHLAは半分ほどが異なっている考えるのが自然である.夫婦でHLAがマッチすることはとても稀なのだから.娘の検査は本当に「万一」「念のため」だった.同様の議論で,兄弟のHLAがマッチする確率は1/4になる.

それがどうしたことか驚くべきことに,娘と私のHLAが偶然よくマッチしているらしいのだ.もちろん,現時点ではまだ可能性の一つでしかないが,可能性があることに感謝するしかない.実際,娘なので私と大きな体重差があり,私が必要としている絶対量が取れるかといった問題もあるらしい.

当然上記のHLAが合わないという理由で,親子間の移植は事例が少ない.病院としては,まだ第1選択は兄弟であるとのことである.入院16日目 - Ph+ALL日記 で記した弟のドナー適格性の話も進めていくことになる.