Ph+ALL日記

フィラデルフィア染色体陽性白血病と闘うIT労働者の記録

外泊許可 (2)

血液検査の詳細が出た.

  • NET(好中球): 10.4

ギリギリ1000を超えていたが,やはり予防的に抗生剤を服用.さらに明日再検査しつつ,好中球を増やす薬を使う予定.

これで2泊するつもりでいるが,2日間,家で何をしようか?

外泊許可

今日で入院生活まるまる1ヶ月.

ステロイドとスプリセルを用いた寛解導入の35日間の治療がもう直ぐ終わる.どのくらい深い寛解が得られたかは,骨髄穿刺をして調べなければわからないが,その前に血液検査の結果から現在の状況が悪くないので,少なくとも1泊の外泊を許可された.明日のMRIの検査が終わったら,一晩自宅に戻ることができる.

今朝の血液検査の主な結果:

  • ALT: 53 (H)
  • WBC: 16.5 (L) → この中身が問題.正常な好中球の数を調査中.
  • RBC: 316 (L)
  • HGB: 10.5 (L)
  • PLT: 14.1
  • RETI%: 1.22%
  • CRP定量: 0.28 (H) → なんらかの炎症が起きていることを示す

1650ある白血球のうち,どれだけ意味のある好中球がいるかが重要らしい.500を切ると感染症の予防的な対策として抗生剤を投与するし,1000を超えていれば外泊可能なのだそうだ.手元の結果にはその数値がまだ含まれていない.

担当医と2泊できるかもね…という話になり,念のため明日も血液検査し,抗生剤に加えて白血球を増やす薬を投与するか決めることに.

どうせ自宅は近いので,調子悪かったらすぐに戻ってこれますよっと.

体重減少

昨日今日と67kg台で変化なし.下げ止まった感じ.

テーパリングの影響?

服薬量の変更・中止

以下のように処方薬の中身が少し変わった.

  •  プレドニン: ステロイド.当初110mg/日だったものを → (1/4から) 50mg/日 x 2日  (1/6から) 25mg/日 x 2日  (1/8から) 10mg/日 x 3日間と漸減させてきた.今日2017年1月10日が服用最終日.
  • フェブリク錠: 尿酸の量を減らす薬.これまで20mg/日だったが,尿酸値に問題はなくなったので中止に.
  • アムロジピン: 血圧を下げる薬.血圧が100mmHgを切ることもあるので中止 に.
  • 強力ネオミノファーゲンシーP静注: 肝臓の薬.肝臓の数値も安定しているので,中止に.

以下はこれまで通り.

  • スプリセル: bcr-abl分子標的薬.同量 (140mg/日) を継続
  • ジフルカンカプセル: 真菌感染症予防.同量 (200mg/日) を継続.
  • バクタ配合錠: 細菌感染症の予防.同量 (1錠/日) 継続.
  • ガスター: 胃酸を抑える薬.同量 (20mg/日) 継続.
  • ナボロン錠 : 起床時朝食前に服用 (毎週水曜日).同量 (35mg/週) 継続.
体重減少

このところ目に見えて体重が減っている.ステロイドのテーパリングと関係しているのだろうか.

下図は発症しただろう2016年10月ごろから今朝までの体重変化.一貫して減っているが,ここ1週間は角度が急だ.

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入院時点 (12/12) に 72.1kg だった体重が,テーパリング直前の1/3に70.3kg.1/8に68.3kg.今日1/10は66.8kg.体重変動の大きな要素は水分だと思われるので,あまり細かな変化を見ても仕方がないが,ちょっと急激なので継続して観察する.

今後の予定

担当医から聞いた今後の予定の概略のメモ:

中枢神経は髄膜*2というタイトな膜で覆われていて,抗がん剤は種類によってはその膜を透過できない.どうもダサチニブは髄膜を透過しないらしい.がん細胞が脳髄内に逃げ込んでしまうと,そこから中枢神経系白血病として再発してしまう恐れがある*3.このための検査を行うとともに,脳が浮かんでいる髄液内に直接抗がん剤を注入するのだそうだ.

なかなか恐ろしい話にも聞こえるな.この処置のためにサインしなければならない同意書があるらしい.

いい話としては,1日外泊許可が出る日があるそうだ.妻は,家に帰ったら自分の机の周りを掃除しろと言う.確かに汚いまま入院してしまった.

点滴の交換

2016年12月28日に入れた点滴静脈注射*1がそろそろ限界というか寿命に来た.ちょっと痛々しいけれど現在の状態がこれ.

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痛くも痒くも無いのだけれど,血が滲んでしまっている.

現在のところ,この点滴は,

  • 水の補給(抗がん剤が細胞を壊し,その老廃物が腎臓を痛めないようにするために,尿量を確保する)
  • 肝臓の薬の投与

のためだけに使われている.肝臓の数値が落ち着いているのと,口から水分は十分飲めているということで,一旦抜いてしまうことに.

明日,別の場所に刺し直しかな.

親娘のHLA適合性

骨髄移植にしろ,臍帯血移植にしろ,移植を受けるためにはHLA*1の適合度が高い*2ドナーを見つける必要がある.しかしHLAは非常に複雑な過程で決定し,数万種類存在するといわれていて,偶然2人のHLAが一致する確率は数万分の1から数百万分の1である.

私には20歳の娘がいる.前の病院で「念のため」娘のHLAを簡易検査してもらっていた.

面倒な議論を省けば(実際,とても面倒らしいのだが),メンデルの法則*3で考えて,子供には夫から半分,妻から半分,HLAが遺伝している.ということは親娘のHLAは半分ほどが異なっている考えるのが自然である.夫婦でHLAがマッチすることはとても稀なのだから.娘の検査は本当に「万一」「念のため」だった.同様の議論で,兄弟のHLAがマッチする確率は1/4になる.

それがどうしたことか驚くべきことに,娘と私のHLAが偶然よくマッチしているらしいのだ.もちろん,現時点ではまだ可能性の一つでしかないが,可能性があることに感謝するしかない.実際,娘なので私と大きな体重差があり,私が必要としている絶対量が取れるかといった問題もあるらしい.

当然上記のHLAが合わないという理由で,親子間の移植は事例が少ない.病院としては,まだ第1選択は兄弟であるとのことである.入院16日目 - Ph+ALL日記 で記した弟のドナー適格性の話も進めていくことになる.

病床オフィス

昨日再び職場の上司に来訪頂いた.

その際,職場の新年の新しい体制とか役割変更の情報アップデートに加えて,写真のマッサージクッション*1をお見舞い品として頂いた。

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これを装備して,完璧な病床オフィスが完成した.手の届く範囲になんでもあってとても快適.

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